メランコリア(2011)

ラース・フォン・トリアー監督の映画。
地球に巨大惑星が衝突する内容なのでSF的ですが、例えば「アルマゲドン」のように衝突を未然に防ぐ努力をするような人々を主人公にしないで、田舎の豪邸に住むメンヘラ姉妹を主人公にした心理劇です。
この姉妹と姉婿(ジャック・バウアー)の死に際の、浮き足立って、往生際が悪く、見苦しい気もする、利己的な、じたばたする様子を、綺麗な映像と、息苦しいストーリーで表現しています。
第一部で妹(キルスティン・ダンスト)のメンヘラ振りが垣間見れますが、第ニ部では姉(シャルロット・ゲンズブール)までもメンヘラだということがわかり、それに関わる姉婿が可哀想に感じました。
しかし巨大惑星が衝突するわけですから地球全滅なわけで、冷静にしろと言われても厳しいでしょうが…
最後の方で、巨大惑星の衝突が確実になってくると、姉婿はいち早く自殺しますが、これはもうメンヘラ姉妹にはかまってられない、最後くらい一人で死なせろという叫びを感じました。
実はこの時、巨大惑星の衝突がもしかして回避されて、まるで「ミスト」のような終わりになるのではないかと勘ぐっていましたが…ラストは既にネタバレしています。
キルスティン・ダンストは個性的な顔立ちで、好きな女優の一人でしたが、本作もなかなか良かった。

カテゴリー: ま行, 洋画 | タグ: , |

ミラル(2011)

パレスチナ系イスラエル人の女性達を通してパレスチナ問題を描く。
映画の場合、大抵ユダヤ人は悪く描かれないのが実情だが、本作もイスラエルが悪いという論調にはなっていない。
イスラエル人「パレスチナ人よ、無益な報復はするな。やられたらやり返すぞ!」
パレスチナ人「…」
という感じかな。
しかし、ユダヤ系アメリカ人である監督が、パレスチナ人視点から描いたことは…勘ぐると原作者のルーラ・ジブリール Rula Jebreal という人が、美人だったからか?

カテゴリー: ま行, 洋画 | タグ: , |

日本のいちばん長い夏(2010)

戦後18年後の1963年に文藝春秋が行った、敗戦を振り返った座談会を元に書かれたドキュメント小説の映画化。
この映画のスタイルが「文士劇」ということらしく、その意味は作家が演じる劇のことだそうだ。
キャストがジャーナリストや作家など本職の役者ではない人たちが演じていたわけだが、違和感なく見られた。
映画の内容は、大東亜戦争の敗戦を振り返って、その当時の日本がどのように敗戦を受け入れていったのか、またその選択は的確だったのか、またその当時の状況、心境などを出席した28人の人々が吐露していくもの。
・ポツダム宣言を早く受諾した方が、原爆が投下されず、ソ連の介入もなかったのではないのか?しかし原爆投下命令はポツダム宣言の前から出ていた云々
・敗戦をソ連に仲介してもらおうとしていたが、そもそもこれはおろかな方策ではないのか云々
・敗戦には陸軍の抵抗があったし、政府は陸軍のクーデターも恐れていた云々
・本土決戦になったら沖縄戦と似たような酷いものになった云々
等々…色々考えさせる内容の映画です。
思うに本作は左または右に偏っていない気がしたが(見る人によっては左であると思うが)、その辺りがよいと思った。
キャストの一人で、最近亡くなられた脚本家の市川森一さん(この方のこれまでの主義主張は全く知らないが)のインタビューで、「何時の時代も正しい人は少数いるが、間違った方向に進めていくのは、メディアと大衆。それに政治が追従していく。軍人がそれを利用していく」という言葉は多少頷けた。

カテゴリー: な行, ドキュメンタリー, 邦画 | タグ: , |

星を追う子ども(2011)

いくらフィクションであっても、ファンタジーであってもいいのだが、登場人物の言動に説得力がないと、共感できないし、つまらないものになる。
例えば、主人公アスナ(父親を亡くした少々可哀想な少女)が「アガルタ」と呼ばれる地下世界へ、命をかけてまで行こうとする理由が薄い。
比較してはいけないかも知れないが「天空の城ラピュタ」のパズーが命をかけてまでラピュタを見つけようとする動機には十分な理由があるのにもかかわらず…。
また、地下世界のアガルタから来たと言う少年シュンの意味不明な言動にも何ら説得力がないし、モリサキという先生に至っては、ただ単に妻リサを蘇らせたいという極めて私的な理由で「アガルタ」に行きたいだけ。こんな理由ではモリサキに大して同情できない。
シュンの弟シンが、使命を受けて村を飛び出すシーンは、まるで「もののけ姫」のアシタカのようだが、アシタカに比べてその深刻さがまるで伝わってこない。アシタカは永遠に村に帰ってこれない宿命を背負ったのだ。
それぞれの登場人物の行動のきっかけとなる理由が、無い、もしくは、そんな理由で動くはずがないと思えるくらい軽いわけ。そこが問題だと思う。
「千と千尋の神隠し」の千尋でも、豚に変えられたの両親を救うためには、それはもう必死で行動しなくてはいけないという、十分納得できる理由があった。
こういうものが本作にはないので、作者のご都合で無理にでも話を展開せざるを得ない、普通の映画でしかない。

カテゴリー: は行, アニメ, 邦画 | タグ: , , |

ガーデン(1995)

マルティン・シュリーク監督の映画。
不思議な映画です。聖書や哲学の素養があったほうが理解しやすかったかも…ということで私には意味不明。
しかし奇跡の処女が美しかったので満足。

カテゴリー: か行, 洋画 |

黒猫・白猫(1998)

エミール・クストリッツァ監督の映画。
ジプシー(ロマ人)が主人公のコメディ映画。
ジプシーと聞くと旅芸人みたいなイメージしかなかった頃があるが、彼らはヨーロッパのアウト・オブ・カーストである。
ユダヤ人も差別を受けてきた歴史があるが、それ以上にジプシーはそもそも人間ではないというアンタッチャブルな扱いを受けてきた。
ここの所を押さえてこの映画を見ないと、面白みが半減すると思う。
日本人は、真面目で、規律があって、雇用主の忠実な下僕になって、過労死するまで働いたり、責任を負って自殺したりするほど可愛らしい一面があって、その忍耐強さを褒められると、まんざらでもない様子で微笑したりもする。
思うにジプシーは日本人と正反対だ。
もともと迫害の中、楽天的に、悪知恵と、勇気と、希望をもって生き抜いてきた、まるで差別の障害レースで選抜された、エリート集団みたいな人々なので、その個々人の生きる力は並大抵のものでないと思うわけだ。
日本人は、国や組織などに属していないと、途端に弱くなる印象があるが、ジプシーには初めからそんなものはなかった。
この力強さに感服した。そんな映画です。

カテゴリー: か行, 洋画 | タグ: , |

坂の上の雲(2011)

NHKのテレビドラマ。
昨日最終回だったので、感想などを少し。
原作の司馬遼太郎「坂の上の雲」は読んでいる。
これは歴史ものなのだが、解釈はインテリでないと、否かなりのインテリであっても賛否があって、誤解を招く恐れがあることは承知しているが、以下私が「坂の上の雲」から学んだところだ。
・日露戦争は西欧列強の帝国主義支配に対する、日本の主権を守るための防衛戦争で、やむを得ないものであった。
・江戸時代まで鎖国をしていた日本が、わずか30数年で西洋列強に並ぶ軍事力を持ち、日清・日露戦争に辛勝したことは驚異的だ。
・日露戦争で辛勝したことは、それまでの白人による有色人種支配を終わらせるきっかけになった世界的偉業だ。
・その時代に活躍した日本人は素晴らしかった。
そして何よりも主権が大事だと言っているような気がする。
人間個人個人は、自由とか平等が大事だと言えるが、国家では主権。
植民地になって国家の主権がなくなれば、そこに暮らす人々の自由とか平等もなく、奴隷にでもなるかも知れない世界。
それを防ぐための徹底抗戦だったような気がする。
戦後教育の自虐史観的な教えを受けて成長してきた人は多い。
NHKで「坂の上の雲」のような保守的とも取れる内容のドラマが出来ることは、時代が徐々に変わってきた証拠だと思う。
このドラマを見て、原作を読む人が増えれば、何となく嬉しいと思う。

カテゴリー: さ行, テレビドラマ, 邦画 | タグ: , , |

不思議惑星キン・ザ・ザ(1986)

ソ連のSF映画。カルト的な人気を集めたらしい。
異星人との一方的な友情(おじさんの気持ちは異星人には伝わっていないと思うんだ)を描いた奇妙でユーモアたっぷりの映画。
作風は大分違うが、異星人との交流を描いた「第5惑星」よりは気持ち悪くなく、「ギャラクシー・クエスト」よりは物足りないが、見終わった後不思議な気持ちになれる映画ではある。

【送料無料】不思議惑星キン・ザ・ザ

【送料無料】不思議惑星キン・ザ・ザ
価格:3,761円(税込、送料別)

カテゴリー: は行, 洋画 | タグ: , |

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン(2011)

ストーリーはさて置き、映像は映画館ほどではないにせよ楽しめた。
この映画を見ると、善のトランスフォーマー軍団が、人類と同盟を結んでいたというよりも、アメリカ一国と同盟していたような気がして、もしかするとアメリカの国益に従って動いていたのではないかと思うとぞっとしたが、娯楽作品にそのようなケチをつけることはやめにしておく。
またウィキのヒロインが変わったいきさつを読むと面白い。

カテゴリー: た行, 洋画 | タグ: , , |

トゥルース 闇の告発(2010)

主人公レイチェル・ワイズ演じるキャサリンは、国連平和維持活動に志願して派遣される(高給なので)。
この国連平和維持軍は、米国政府か国連が英国の民間軍事会社にアウトソーシングしているらしい(この辺の契約関係は不明)。
主人公は、ボスニアでの活動中に、人身売買の実態を知る。
少女たちが不潔な監禁部屋のようなところに閉じ込められたり、性奴隷のように扱われたりしている現実に胸を痛める。
その捜査を独自に進めているうちに、ボスニアの人身売買は国連平和維持軍の人たちも多く関わっていたということが分かる。
その実態を内部告発するという内容の映画。
人身売買という犯罪はあるのだろう。その犯罪はボスニアでは多かったのだろう。
だが、さすがに国連平和維持軍という組織が人身売買をして性奴隷で儲けていたことはないだろう。
しかし、国連平和維持軍の人の多くがプライベートで関わっていというのはあり得る話だが、映画の最後で言っているが、誰一人処罰されなかったという事実を見ると、その真実は不明なのだ。
結論として、本作は欠席裁判的な映画でもあり、あまり面白くなかった。

[DVD] トゥルース 闇の告発

[DVD] トゥルース 闇の告発
価格:3,225円(税込、送料別)

カテゴリー: た行, 洋画 | タグ: , |